現在、自社大工を抱えている会社が減少しています。
自社大工とは、その会社や工務店のもとで専門に働いている大工さんのことです。全ての大工さんは会社や工務店のもとで働いていると思われがちですが、実際はそうではありません。
今の建築業界では大工さんを会社に置いているのではなく、建設期間のみ契約しているということがほとんどです。
新築でもリフォームでも、建築現場ではたびたび変更がもたらされることがあります。そのとき、自社大工ではない場合、通達に手間のかかることがあります。
もしも変更があった場合は、そのたびに契約している会社や設計士へと話を通さなくてはなりません。
例えば、現場で家を建てたり改装をしている大工さんに直に「ここはもっとこうして欲しい」と伝えても、大工さんは、契約してる会社や設計士にひとつひとつ確認を取らなければ何もできません。
自社大工であれば、会社や工務店に確認がすぐにできるので、当日のうちに変更を行えるなどスムーズに施工が進みます。
自社大工でないと、その確認は時間がかかります。
自社大工を抱えるのは、会社としても経費がかかるものです。しかし、その経費以上に、会社だけでなく顧客にも多大なメリットがあります。
会社や顧客の将来、さらには建築業界全体の未来を見据えると、やはり自社大工の育成は無視することのできない要素と言えます。
自社大工を会社に置くことと、その育成の具体的なメリットを紹介します。
新築やリフォームの作業には、時としてトラブルが発生することがあります。それだけでなく、途中で修正や変更を迫られることもたびたびです。
その修正や変更は、何もデザインや設計を変えるほどの大きな事柄ではなく、ごく些細な部分や細かな修正であることも少なくありません。
こうした細部の修正や変更も、自社大工なら会社や設計士との連絡も容易で、迅速・臨機応変に作業にあたれます。修正や変更のために作業が大幅に遅れることもなく、コストが増えて顧客の負担にもならずに済みます。
住宅の品質にはさまざまな要素が関わってきますが、大工の技術が低ければ実際に家造りへと反映することはできません。釘の打ち方、かんなのかけ方など、一つひとつは小さなことでも、その小さな積み重ねで住宅は施工されています。同じデザインや設計図であっても、建築に長年携わっている職人の感覚、そして培った技術で建てられた住宅はやはりほかとは違った良さがあります。
住宅は完成したらそれで終わりではありません。長く使い続けるためにも持続的なメンテナンスや点検が必要です。このとき、新築やリフォームに携わったのと同じ大工さんがメンテナンスや点検を行うことには大きな意味が生まれます。実際に家を建てたり改築を行い、柱や梁など目に見えないところまで熟知した大工さんがメンテナンスを行うことで、より大きな安心か得られるはずです。また、たとえ実際の建築に携わった大工さんが引退したとしても、自社大工であればしっかりとした引継ぎと情報の共有が行われます。
現在の建築現場では色々な開発が進み、あらかじめ工場で接合が完了している素材があるなど、より手間のかからない手法が主流となってきています。
しかし、臨機応変さが求められる現場では、大工一人ひとりの巧の技が大きくものを言います。
そうした職人の技も、自社大工であれば棟梁から若手への技術の伝承がスムーズに行われ、人材の育成へとつながります。
建築業界では、かなり以前から全国的に大工さんが減少していることが問題になっていました。新しく大工になる人ももちろんいるのですが、それ以上に引退する大工が多く、新人の数を上回っているのです。これは、大工さんの高年齢化によるためです。このままだと日本の高齢化と共に大工さんの人数もどんどん減っていってしまいます。
そこで急を要するのが大工の人材育成です。指導を行えるベテラン大工がいるうちに、若い大工にその技術を受け継いでもらわなくてはなりません。また、技術だけでなく、職人魂や顧客への接し方など、伝えなくてはならいないことはたくさんあります。
とにかく、若い大工さんを増やさなければ、どの会社もいずれ家を建てられなくなってしまいます。現在の建築現場では、外部から雇われてきた大工さんが大半を占めていますから、建築業界の未来は自社大工が握っているといっても過言ではないのです。


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